栽培面積450ヘクタール、茶生産者は約150人、製茶工場は約30軒あります。磐田原大地に広がる茶園は、地形が平坦で温暖な気候に恵まれているため、静岡県内でも極早場所の産地であり、4月の中旬から新茶の摘み採りが始まります。それぞれ特徴のある新品種の導入も進んでいます。また、乗用管理機の普及率は県内上位です。9割の生産者がGAP認証を受けるなど、時代に即した生産基盤があります。
渋みと旨みが調和し味わい深さがあり、さわやかですっきりとした香りと、澄んだ水色(すいしょく)が特徴のお茶です。個人経営の生産者が多く、普通煎茶から深蒸煎茶までこだわりを持って幅広く製造されているため、バラエティに富んだお茶を楽しむことができます。
煎茶は日本で最も飲まれており、生産の60%を占めます。水色(すいしょく)は澄んだ萌葱色で、 旨みと渋みの調和がよく、すっきりとした味が特徴です。
深蒸し煎茶はまろやかでコクが深い味わいになります。 茶葉が細かく崩れやすいため、水色(すいしょく)は濃緑でにごりがあります。
茶の歴史が八百年もあるといわれている静岡県内では新興の茶産地です。 今から百年以上前、磐田原(台地)の開墾により茶畑が広がりました。 ヤブキタ茶の普及とともに耕作面積はさらに拡大し、磐田原簡易水道完成(昭和33年)、県営磐田原圃場整備事業(昭和44年)などにより畑地灌漑設備も整い、ピーク時の茶園面積は900haに達しました。近年、日本国内では急須でお茶を飲む機会の減少に伴う、お茶価格の下落や生産量減少が問題となっています。 一方、海外では抹茶や有機茶の需要が高まっており、輸出向けのお茶に注目が集まっています。
近代日本の造船技術の先駆者で、明治初期に磐田原台地に茶園を開拓した海軍中将男爵赤松則良の邸宅跡です。
明治20年代に建てられた門・堀・土蔵は県・市の指定文化財となっています。敷地内には庭園と旧赤松記念館があり、記念館では旧赤松家ゆかりの文化財や寄贈資料等を展示しています。